• 2023/04/12
  • 歯科コラム

インプラントの歴史

今回は当医院の院長を務める坂巻先生の専門であるインプラントの歴史について簡単にご紹介いたします。

 

古代のインプラント

 

歯科インプラントの歴史は古代にまで遡ります。古代エジプトやマヤ文明では、金属や石を用いた歯の代用品が作られていました。これらは現代のインプラントとは異なりますが、失った歯を補うという目的は同じです。

近代インプラントの始まり

 

20世紀初頭に、近代的なインプラントの研究が始まりました。1930年代には、ステンレス鋼などの金属を用いたインプラントが開発されましたが、安定した結果が得られないことが多く、普及しませんでした。


オッセオインテグレーションの発見

 

1952年、スウェーデンのオルトペディックス・パーオ・イングバール・ブローネマルク教授が、チタンと骨が直接結合する現象「オッセオインテグレーション」を発見しました。これが、現代の歯科インプラント治療の基礎となりました。

ブローネマルク・インプラントの開発

 

1965年、ブローネマルク教授は、チタン製のインプラントを人間の顎骨に埋め込む最初の手術を成功させました。このインプラントはブローネマルク・インプラントと呼ばれ、現代のインプラント治療の基盤を築きました。



インプラント技術の発展

 

その後、インプラント治療はさまざまな技術の発展を経て、より高度なものになりました。インプラントの形状や表面処理が改良され、結合力が向上しました。また、骨移植や骨再生技術も発展し、骨の量が不足している患者にもインプラント治療が可能になりました。



コンピュータ支援設計/製造(CAD/CAM

 

1980年代以降、コンピュータ技術が歯科医療に導入され、インプラント治療の精度が向上しました

コンピュータ支援設計/製造(CAD/CAM)技術により、インプラントの設計や製作がより正確かつ効率的になりました。また、3Dプリンターの登場により、カスタマイズされたインプラントやサージカルガイドが容易に作成できるようになりました。



画像診断技術の進歩

 

コンピュータ断層撮影(CT)やデジタルレントゲンなどの画像診断技術が発展し、インプラント治療の計画や手術の精度が向上しました。これにより、患者の解剖学的条件や骨の状態を正確に評価でき、最適なインプラント位置や角度を決定できるようになりました。

インプラント手術の最小侵襲化

 

現代のインプラント手術では、最小侵襲化が重視されています。サージカルガイドを使用したフラップレス手術や、短期間でインプラントを機能させる即時負荷法など、患者の負担を軽減する技術が開発されました。



インプラント周囲病変の研究と予防

 

インプラント治療が普及するにつれ、インプラント周囲病変(ペリインプラント病変)という問題も浮上しました。インプラント周囲の歯肉や骨に炎症が生じるこの病変の原因や治療法が研究され、予防やメンテナンスが重要視されるようになりました。



今後のインプラント治療

 

現在、インプラント治療に関する研究はさらに進んでいます。バイオテクノロジーや再生医療、ナノテクノロジーなどの新しい技術が開発され、インプラントの材料や治療法が改良されることが期待されています。また、個々の患者に合わせた最適な治療を提供する個別化医療の普及にも期待が寄せられています。



当医院はインプラントの専門医の資格を持つ先生が在籍しております。歯を失ってしまった治療方法としては素晴らしい治療ですので是非ご相談ください。

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