むし歯について
春もあっという間に過ぎ、早々に梅雨入りした地域もありますね。ジメッとした日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
今日は皆さんご存知の、むし歯についてのお話です。
まず初めに、
むし歯とはどうなっている状態のことかと言いますと、、
お口の中にあるミュータンス菌などの虫歯原因菌が出す酸によって歯が溶かされ、もろくなって穴が開いてしまった状態を虫歯と言います。
むし歯は歯周病と同じように重症になるまで自覚症状が少ないことがあり、自分では気付きにくいという特徴もあります。
【むし歯の原因】
むし歯の原因というのは1つだけではなく、様々な要因が重なって発生します。
その要因として大きく関わるのが、『細菌(主にミュータンス菌)』、『歯の質』、『糖質(主に砂糖)』の3つです。
この3つの要因に『時間の経過』が加わることでむし歯ができることが知られています。
【むし歯の発生】
まずむし歯原因菌のミュータンス菌は、食事などで摂取した砂糖をエサにし、ネバネバして水に溶けにくいグルカンという物質を作ります。
グルカンは歯の表面に付着し、粘着性も強いので、他の多くの細菌を巻き込んで大きな塊になります。
それがプラークです。
そしてプラーク中のミュータンス菌により、食事やおやつなどで摂取された砂糖をさらに分解し、酸を作り出します。
その酸によって歯の表面のカルシウムが溶け出し(脱灰)、むし歯となります。
【むし歯の進行度と症状】
むし歯は進行状態によって症状や治療方法なども変わってきます。
むし歯の進行度はC0〜C4までの5段階で表します。
C0がむし歯の初期段階で、進行具合が最も悪いのがC4となります。
進行度:C0 自覚症状は無し。
脱灰(だっかい)と呼ばれる、歯の表面のエナメル質が溶け始める状態。
カルシウム分が少なくなり、ツヤがなく、白く濁って見えたり薄く茶色に見えたりします。
むし歯の穴はまだ空いていません。
フッ素の応用で再石灰化を促し、健康な歯に戻すことができます。
進行度:C1
痛みやしみるなどの症状がない場合が多い。
歯の表面(エナメル質)に穴が空き、欠損がある状態。
この段階になると、むし歯部分を削り、コンポジットレジン(CR)というプラスチックの樹脂を詰めて治します。
進行度:C2
噛んだ時や甘い物で痛みを感じたり、冷たい物がしみる。
歯の内部の象牙質と呼ばれる部分までむし歯が進行した状態。
神経の近くまで穴が空いている。
C1同様、むし歯部分を削りコンポジットレジンを詰める場合と、型取りをして金属などの詰め物をする場合があります。
進行度:C3
熱い物でしみたり、激しい痛みを感じる事が多い。放置をすると神経が死んでしまい、痛みがなくなることもあります。
むし歯が歯髄(神経)まで進んでいる状態。
この段階では、神経を取り、歯の根っこの治療が必要となります。神経の治療後、被せ物(クラウン)をするのが一般的です。
進行度:C4
神経が死んでしまい、痛みがなくなる場合があります。歯の根っこの先に膿が溜まると激しい痛みが起こります。
むし歯の最終段階。
歯の上部がむし歯によってほとんど失われて、歯の根っこだけの状態。
保存が困難な為、通常は歯を抜くことになります。
抜歯後は入れ歯やインプラントの処置を行い、歯の機能を取り戻していく流れとなります。
【むし歯の予防方法】
むし歯を予防するには原因となるプラークをしっかり取り除くことや、歯の質を強くすること、飲食で特に砂糖の摂り方に注意することが大切です。
まず、プラークをしっかり取り除くためには
時間をかけた丁寧な歯磨きや、
むし歯になりやすい歯と歯の間にデンタルフロスなどの清掃用具を使うこと、
歯磨き剤を使用して磨くこと
などがあります。
歯の質を強くするためにはフッ素(フッ化物)を活用することです。
フッ素には、溶けたカルシウム分を再び歯に戻す作用(再石灰化)があり、細菌の活動を弱める働きもあります。
フッ素入りの歯磨き剤や洗口液を使用したり、歯科医院での高濃度フッ素の塗布などが効果的です。
最後に砂糖の摂り方として、
だらだら飲食するのは控えることと、食べたら磨くのを心がけることが大切になってきます。
口の中は唾液の働きで中性に保たれていますが、飲食をした後は酸性に傾きます。酸性の時間が長いほどむし歯になりやすくなります。
なので、頻繁に糖分の摂取する食べ方や飲み方には注意しましょう。
そして食後など糖分の摂取後は、その糖分を利用して細菌が酸を作り出します。
食べたら磨くことを心がけていきましょう。
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